性輪廻 死にたい女&性遊戯

シネマヴェーラ 16:20&19:00 約20名


サッカーW杯にウツツを抜かしていましたが、映画も観ておりますよ。
このままでは備忘録として役に立たなくなってしまうので、ちょこちょこ更新します。


さて足立正生特集より若松孝二監督『性輪廻 死にたい女』(71年・足立正生脚本作品)とご本人監督の『性遊戯』(69年)。
『性遊戯』は猥雑なエネルギーに満ち溢れた痛快作品、明日(9日金曜)も上映があるので未見の方はぜひ御覧戴きたい!


吉沢健、小水一男、秋山道男といった男性出演陣が良いのは予想できたが、中嶋夏という主演女性がメヂカラ&ガッツがあってとても良かった。ちょっと調べただけでは確証は得られなかったのですが舞踏家の方なのでしょうか。
『性輪廻』の主演、島絵梨子さんも美しくかつ肝のすわった方でしたが、こちらも出演作品少なく残念。
久しぶりに行ったシネマヴェーラも何だか人が少なく感じられ、これまた残念。

33号車応答なし

ラピュタ阿佐ヶ谷 19:20 約30名


ラピュタでの谷口千吉特集、『不良少年』がかなり良かったらしいが情報を得た時にはすでに間に合わずで『33号車応答なし』(55年)へ。


トロールカー巡回をする池部良志村喬の警官コンビを描いた作品なのだが、後半に入っての加速感あるアクション、およびそこで登場してくる悪のファミリーのワルぶりが素晴らしい。ファミリーの大男は、魘されそうなくらい恐ろしかった。
10日土曜までの上映ながら強力オススメ作品。

真夜中の羊

ユーロスペース2 21:00 約100名


ヤングポール監督『真夜中の羊』は、破綻間違いなしと思われるほどのアイデア過積載、イヤミやキッチュに落ちかねない箇所を多々含みながら、なぜだかスルリと走り抜けてしまう痛快作品であった。

岡部尚は『姉ちゃん、ホトホトさまの蟲を使う』に続いて姉に翻弄される弟の役(を鑑賞)だったが、文字通り泥にまみれながらの挑戦であった。
『こんなに暗い夜』の宮本りえは、「大丈夫」と呟かれても全く信じる気が起きないほどのダークネスを、声質ばかりでなく全身にまとっていた。

いずれまた上映の機会があると思うので、その際はぜひ御覧下さい。

音の城♪音の海

アップリンクX 15:00 約20名 大半若者


知的障害を持つ子供たちと音楽家たちとの演奏を通じた交流を捉えたドキュメンタリー作品。
秩序立てて物事を進行させようと試みる大友良英氏に対し、まるで言うことを聞かない子供たち。どうなることかと見守るうちに両者ともに変容してゆく姿が痛快。


全30ページのパンフレットで監督の服部智行は巻末2頁のQ&Aにしか登場していない奥ゆかしさ。
だがそこには本作品については、音声編集ソフトを制作する会社に勤務していたことがキッカケとなったこと、そして中小企業診断士である現在は、商店街活性化の映画を企画しているとある。
転職しても映画の題材をすかさず見出してしまうのか、題材のために転職したのかは知らないが、細身の体からは予想外のたくましさを感じた。

やくたたず

池袋シネマ・ロサ2 21:00 約200名(満席立ち見)


CO2inTOKYOより三宅唱監督『やくたたず』。
雪降る北海道でのロケ、モノクロでの撮影も自ら担当、大胆な物語説明の省略と、無謀とも思える何重もの挑戦を自らに課した勝負作品。
そこには簡単な共感を許さない異様な力が漲っていた。

姉ちゃん、ホトホトさまの蟲を使う

ユーロスペース1 21:00 約80名


演出実習作品の『おとしもの』、『破戒くん』を併せて大工原正樹監督『姉ちゃん、ホトホトさまの蟲を使う』。
海あり、人気のない町並みあり、トンネルありのロケ地、木更津が素晴らしい。
長宗我部陽子の姉、岡部尚の弟以外ほとんど人物が現れないのだが、森田亜紀、高橋洋、そしてもう一人の登場と退場の具合が決まっている。
高橋洋作詞・長宗我部陽子唄の主題歌は真に恐ろしかった。