鉄路の男

国立フィルムセンター小ホール 13:00 151名 オトコ6:オンナ4


本日ようやく「ポーランド映画 昨日と今日」へ。
残念ながらイェジー・カヴァレロヴィッチ『フリギアの星の下で』は、
見逃しに終わるがアンジェイ・ムンクに大いに期待する。
日曜のためもあり上映10分前には満員打ち止め。早目に着いて良かった。


冒頭の機関車のシーンから、もうたまらない。
検札が来たため壁に吊るしたコートの下から慌てて身を現す男女、
線路上に人影を発見して急ブレーキで停車する列車、
飛び降りて確認に行く運転士たち、そして…。
適確な編集で話はスリリングに展開されていく。


車輪とシャフトが織りなすダイナミックな動き、警笛のけたたましい響き、
煤や油による顔や衣服の汚れ、硬質に光る鉄の車体、柔らかく流れる蒸気と、
映画的要素満載の乗り物=機関車の魅力を余すところなく捉えた傑作でした。


以前ムンクの『エロイカ』はNHK衛星で放映されたのだが、
WOWWOWも含めてこうしたモノクロ映画が紹介されることが激減したのは残念至極。
聞いた話ではモノクロは若い人が敬遠するからという理由で、
よほどの名作でない限り除外されてしまうらしい(特に海外作品)。
更に映画内だけでなく放映枠を米国野球や欧州サッカーと争わなくてはいけない、
という何とも厳しいご時世なんです。
そしてこのご時世に頑張っている人たちの上映会へ。