亀も空を飛ぶ

岩波ホール 14:30 約170名 オトコ3:オンナ7 年齢層高し


本日は岩波ホールにてイラン=イラク映画『亀も空を飛ぶ』。
冒頭に人々が何十本ものテレビアンテナを立てるシーンがあって、
それはサッカーワールドカップではなくイラク戦争がいつ始まるかを知るためである、
というところに『そして人生はつづく』のキアロスタミへの対抗意識を感じたのだが、
実際『風が吹くまま』でチーフ助監督を務めていたのでした。


ちなみに棒状のアンテナでは衛星放送は映らず、パラボラを買い求めるのだが、
それは僅かな現金とラジオ10数台との交換で得られることになる。
結局、衛星放送が映っても英語が判らないので役に立たない、
事前に知るのは両手を失った少年の予言による、というあたりに、
監督のメディアと大衆に対する批判は感じるが、その姿勢と方法に疑問も残りました。


岩波ホールを訪れたのはベルイマン『ファニーとアレクサンデル』以来のこと。
不真面目な私にとっては何やら恐れ多い場所であります。
何しろ今回が146回エキプ・ド・シネマ・ロードショーらしいんですが、
1974年に開館しているので大体一年に4,5作品しか掛かっていない、
つまりこのご時世に大半の作品が3ヶ月近いロングラン! ということになります。


更に恐ろしいのは一回目の休憩時間が1時間、二回目は2時間あるということです。
上映時間97分の作品なので単純にして小心な私は
「あと2回まわせるじゃん?」とやきもきしてしまいます。
それから絶対喫煙所はないと踏んで事前にドトールで一服してから行ったら、
ちゃんと存在していたのは衝撃でした。
ルールが私の日常とはかけ離れていて、海外旅行したくらいに疲れちゃいました。