ピンクサロン 好色五人女

ラピュタ阿佐ヶ谷 21:00 約20名 オトコ7:オンナ3
水曜は千円均一なのでいつも混むのに…<生と死と、エロスの輪舞 田中登の官能美学>より『ピンクサロン 好色五人女』。
通常70分前後が多い日活ロマンポルノ作品にあって上映時間94分と力が入っているので(同年の『人妻集団暴行致死事件』も96分)、ある程度期待はしていたのだが、それを軽く上回る傑作でした。


まずは冒頭より<故井原西鶴氏に捧ぐ>とクレジットがどかーんと出てきて度肝を抜かれます。更に女性を店に紹介する<回転師>=砂塚英夫の役名が井原、という大胆さ。
そして当時のヒット曲を次から次へ流しては踊りまくる、というご機嫌ぶり! 
近江八幡まで撮影に出向いているというロマンポルノにあっては例外的贅沢さながら、
楽曲使用許可を得ているとは思えず、DVD化はほぼ不可能なので必見! であります。
また性描写にハードさはなく、むしろ享楽的なので女性に強くオススメします。


78年(昭和53年)の作品ながら、すでに街には監視カメラが鎮座しており、
官憲の摘発を繰り返し受けながらアイディアを搾り出しては次なる闘いを挑んでいく姿に撃たれる。何度もへこたれそうになるが、そんなこと悪魔たる井原が許すはずがない。
一方ピンクサロンの風俗的特色としては他のジャンルに比べて敷居(垣根?)が低いことがあり、それを存分に生かした大らかさも併せ持たせている、脚本のいどあきお氏に感服。


スペースの問題を含め、こうした在り方が現在まさに絶滅の危機に瀕しているわけで、

ネオリベ化する公共圏

ネオリベ化する公共圏

も必読! (井土紀州氏もシンポジウムに参加してます)
現在早稲田大学文学部キャンパスではビラ配りどころか、ひとりのパフォーマーすら警備員に排除されるそうです。