酒井家のしあわせ

東芝エンタテインメント試写室 15:30


 昨年2月27日、金綺泳(キム・ギヨン)監督の『下女』と同時上映した『ハルモニ』の呉美保(オ・ミポ)監督、サンダンス・NHK国際映像作家賞受賞作が完成しました、『酒井家のしあわせ』(旧題「ヨモヤマブルース」)。12月より渋谷アミューズCQN他でロードショー!


 いやー、他人事なんですが我が事のように嬉しい。傑作選などでご紹介している監督たちもどんどんメジャーデビューして欲しいな、とシンプルな俗物の私は思います。


 家族の泣き笑いを描いた作品とのことで、このテーマは呉美保さんの十八番。『ハルモニ』もそうだし、『め』という作品も少年を通して家族に起こった事件を巧みに描いておりました。という訳でこの点は安心していたのですが、やや不安だったのはロケ地が監督ならびに製作会社ビーワイルド社長の出身地=三重県伊賀市だということ。どうしても配慮とか働いちゃうからなと俗物は心配しておりました。ところが冒頭より友近さん「こんなショボイところ」というナレーション! 腹据わっておりますな。更に『め』の少年が成長したのかと思わせる森田直幸さん(『血と骨』でビートたけしの息子役)が登場、つまらない心配は一掃され、あとは落ち着いて画面に向かうことが出来ました。


 他の出演者(敬称略)はユースケ・サンタマリア本上まなみ赤井英和洞口依子など。夏休みの少年少女を描いた映画には傑作が多いのですが、その系譜に新たにこの作品が加わりました。『ハルモニ』御覧になった方も、そうでない方もよろしく! であります。