最高殊勲夫人&青空娘

新文芸坐 17:00&18:45 約80名→130名 
オトコ7:オンナ3


 新文芸坐にて「大映映画の鬼才 増村保造」は若尾文子主演『最高殊勲夫人』(59年)と『青空娘』(57年)の2本立て。新文芸坐、行く度に観客に対する注意事項アナウンスが細かくなっているのが可笑しい。この日はケータイに対する昨日・本日のクレーム件数を発表していた。


 さて作品はどちらも素晴らしかったが『青空娘』においてダグラス・サークを想起してしまった。それは(ハッピーエンドではあるが)メロドラマということだけでなく、若尾文子がメイドとして迎え入れることになる実父の家を初めて訪れる際の、腹違いの弟によるストレートな悪意の発露行為に拠っていた気がする。『最高殊勲夫人』におけるビールの本数によって求愛の方法が深まるというシンプルさも、現在の日本(映画だけでなく)から失われてしまったものだが、アリエナナイと切り捨てることなく敢えて取り入れる手はあると思う。