孔雀

NHKみんなの広場 ふれあいホール 10:30 約90名 
オトコ6:オンナ4 年齢層高し


 大傑作。上映時間135分だが3時間でも4時間でも続いて欲しいと願った。70年代後半から80年代前半の中国の小都市を舞台に三兄妹の思春期から青春の終わりまでを描いた作品。これが監督デビュー作となるグー・チャンウェイ(顧長衛)とは『子供たちの王様』や『紅いコーリャン』などで撮影を担当した人で、1957年12月12日生まれ。繊細な撮影と大胆な話法の融合ぶりが素晴らしい。


 確か「Invitation」誌上で暉峻創三氏がこの『孔雀』を賞賛していた記憶があり今回の上映に駆けつけた。ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞しているので東京国際映画祭のコンペ部門は無理でも氏がプログラム・ディレクターを務める「アジアの風」部門で上映されるのかと思っていたらNHKアジア・フィルム・フェスティバルとは。


 この映画祭は隔年で東京都写真美術館ホールで行われていたが、これからは毎年行うとのこと。会場を自前の「みんなの広場 ふれあいホール」に移したからか入場料が500円とお安くなっているのは大変結構なのだが、映画専門ホールではないのがツライ。非常灯によりスクリーン上に二階回廊の格子の影が写っている(単に覆えば済む話だがNHKに出来るかな?)。4日(土)の20:30からもう一度上映されるが、DV上映(撮影もDVなのかも知れないが)だし、新春から一般劇場公開されるそうなので待つのもアリだとは思う。映画祭HPは作品データとして全く役に立たないのでコチラをご紹介させて戴く。


 ともかく主演のチャン・チンチュー(張静初)が素晴らしい。生まれる時代と場所と性別間違えちゃった、というたたずまいが絶品。こんな人が制作志望の映画学校生徒だったとはチャイナ真に恐るべし。