世紀の光

有楽町朝日ホール 13:10 約600名 オトコ6:オンナ4


さて東京フィルメックス終了、なので安心して好き放題言わせてもらおう。
今回は全くウキウキしなかった。それは各作品内容についてではなくプログラムに関すること。とりわけ特集上映の質を問いたい。


ソフラブ・シャヒド・サレス(見逃したことを大変後悔している)、ニルキ・タピオヴァーラ(売り切れで『ユハ』しか観られなかった!)、マルレン・フィツィエフ、「イスラム革命前のイラン映画」のマスード・キミヤイー、ダリウシュ・メールジュイ、バハラム・ベイザイ、カナダのガイ・マディンなどなど過去フィルメックスは日本ではほとんど知られていなかった監督たち(私が無知なだけ?)を次々と紹介してきた。それらの作品はいずれも素晴らしくフィルメックスには大変感謝している。


今回のダニエル・シュミット監督2作品も勿論素晴らしい。しかしダニエル・シュミットは日本で未紹介の作家ではない。ここで書くのは勿体ないのでイチイチ名前を挙げないが、ひとりだけ挙げるとしたらアルメニアのアルタヴァスト・ベレシャンとか、日本で見ることの出来ない監督なんてまだまだワンサカいる。なぜその人たちを紹介しないのだろう。


2作品を除くシュミット作品が12月からアテネ・フランセ文化センターとユーロ・スペースで上映されると発表された。日本で初めてシュミットを紹介したのはアテネ・フランセなのだから安心してこの方たちに任せ、フィルメックスは別のことをやるべきだったのではないか。そもそもシュミットが亡くならなかったら、一体何を特集するつもりだったのか。


ジャ・ジャンクー監督『三峡好人』、ツァイ・ミンリャン監督『黒眼圏』、黒沢清監督『叫』ジョニー・トー監督『エレクション』などで売り切れが発生したようだが、いずれもすでに配給会社がついていて何ヵ月後かにもっと良い映写環境で見られる作品に過ぎない。そうした作品が日・祝を占めていて一見したところ盛況を極めているが平日のコンペはがらがら(あくまで聞いた話ですが)。フィルメックスの志はどこへ行ったの?


助成金が削減されているとか、動員を図らなければならないとかの事情はあるのだろう。ならば申しましょう、東京フィルメックスの役割は終わりました。


今回私が見た作品は前述日記をご参照戴いた通り(あとハン・ジエ監督『ワイルド・サイドを歩け』は寝過ごしました。自省いたします)。有名ブランド監督作品ツマミ喰いとは最悪の態度、バクチ打つのを忘れた上映者なんか只のゴクツブシ、これも深く自省いたします。


ただ文化庁のカネ、つまりは酒とか煙草で私も大いに支払っている税金が流用されているからには大いに異見を言わせて戴く。フィルメックスは東京を出よ。町自体が存亡の危機に瀕している夕張に行け。ゆうばりフィルファンタメックス映画祭やれ。そうすれば10回券でも100回券でも買う、持ってるだけのカネ置いていくことを約束する。だからアンタたちも真剣にやってくれ、以上。