ありがとう

丸の内TOEI1 18:45 約40名 オトコ6:オンナ4 サラリーマン風の方多し


「ゴルフやらないんですけど」、「関西出身でもないし、知り合いで被害にあった人もいない」と説明したのだが、それでも構わないと、もう11稿まで出来上がっていた脚本を渡された。そんなお話を「夏祭@映美」の際にされていた万田邦敏監督の『ありがとう』。


阪神・淡路大震災に遭遇し、町の復興に努めながら還暦を目前にしてプロゴルファーになったという実話に基づいた映画。いくらなんでもこんな修行内容でプロフェッショナルになれるわけないと思うのだが、やはりあっけらかんとプロとなり、プロであり続けている映画監督がいて、それが万田邦敏さん。


 あっからかんとは語弊があるし、そりゃ色々苦労もされただろうとは思うのだが、撮影所システムは崩壊している時代。自主制作映画から出発しているのだが商業デビュー作がバカ当たりしたわけでもない。助監督もjmdbによると『ドレミファ娘の血は騒ぐ』しかしていない。ピンク映画の現場に入った訳でもないし、エロスを打ち出したVシネ作品の脚本すら手がけていない(お蔵入りになったギリギリガールズ主演作品はあるらしい)というのはこの世代の監督にしては稀有だと思う。異性に興味がない、というのではないはずだ。勝負の場に戸籍上の妻がいなければ傍にいる女性を仮の女房とするくらいの夫婦狂なのだから。


 ともかく前述のような状況できちんと泣ける作品に仕上げるのはやはりプロだと思う。『接吻』の公開を楽しみに待ちます。