夢十夜 海賊版

映画美学校第一試写室 17:00 


 試写会にお招きにあずかったものの、れろれろの二日酔いなので慎ましくしていようと後方にひっそりと座席確保。ところが上映直前に右に相変わらずお美しい宮田亜紀さん(第八話主演)、左に第十話監督の天野邪子さんが着席され、あっと言う間にビップシートに早変わり。お蔭様で気分シャッキリ、緊張感を保って拝見できました。


 最若年の桝本瑠璃さん(第一話監督)が22歳、他にも20代の若手多数というラインナップにして、こじんまりとした管理統制はあまりなく、各監督がそれぞれの美学・価値観をのびのびと打ち出しているといった印象。その射程がどれほどのものか是非吉祥寺バウスシアターでご確認下さい。若い方たちの劇場デビュー作ですので真剣勝負、となると笑いの要素は薄れがちなのですが、その点唯一チラシに年齢を記していない天野邪子監督はさすがの貫禄(歌舞伎町のダンサーだし)。この第十話が真ん中辺りに来ていれば全体の印象も変わったと思いますが、美に現を抜かすものは痛い目に遭うという教訓なので、やはりラストで良かったのかもしれません。これで柳原可奈子が出演していれば完璧でした。第八話は唯一ヨーロッパの風が吹いており驚かされました。


 欧州と言えばEU独占禁止法EU競争法)により日本企業に制裁金を課しました。独禁法と言っても当該日本企業は問題となった製品を欧州ではほとんど販売していない。じゃあなんで? 理由は「日本企業が参入していれば、競争が促進されて価格が下がり、消費者利益につながったはず、という論法」(朝日新聞による)。平たく言うとゲームに参加しなかったヤツは罰金! てことか。それで三菱電機が約190億円、東芝が約140億円、日立製作所が約80億円の制裁金。


 ブラボー!たまらん。世界もまだ捨てたモンじゃないね。どんどんやれ、日本じゃオレがやる、制裁金長者になってやる、と二日酔いなんてスっ飛んで俄然楽しくなっちゃいました。