トランスフォーマー

eigahitokw2007-10-30


プラウド 19:20 車4台(たぶん8名) オトコ7:オンナ1


私はハマっ子である。横浜といっても一般的にイメージされるような中心部ではなく、外れに過ぎない。それでも街っ子なのでドライブ・イン・シアター(大抵郊外にある)には行ったことないし、21世紀の日本にいまだ存在しているとは思っていなかった(バブル期には都内、確か練馬区にあったはず)。


そもそもドライブ・イン・シアター(以下DT)って何? ていう若い方もいると思うが、要するに車で乗りつけてそのまま車内で映画を観る施設です。詳しくは加藤幹郎著『映画館と観客の文化史』(中公新書)を読んで下さいね。本家アメリカ合衆国では自動車約1900台、それと別に観客席1000人分を備えた巨大DTがあったとか、自家用機で乗りつけられるフライ・イン・シアターもあったとか、昼間は教会の屋外説教地として利用されていたとか興味深い記述満載です。DTが舞台となる映画としてはピーター・ボグダノヴィッチ監督、ボリス・カーロフ主演『殺人者はライフルを持っている!』がオススメ。


友人のミクシィにより日本初のDTが10月末で閉館することを知り、慌てて駆けつけました。所はザウスIKEAなど恐竜や黒船が襲来する地として名高い船橋! 
しかし場所わかりづらい…。同行した友人がスクリーンを発見したことから辿り着けたが、道中案内看板など見かけず(もう撤去しちゃったんでしょうか)。スクリーン下に遊園地があって子供たちがハシャいでるとか、車の間をスナック・ドリンクの売り子が練り歩く、といった図を勝手に思い浮かべていたのだが、そんなものは一切なし(ドリンクは受付スタンドで在庫処分してました)。


昼間はららぽーとの駐車場として機能しているそうです。IKEAの裏手にあるのだが、ビル群の照明により薄明るくて気分もイマイチ高鳴らず(環境としては日本で唯一残ったDT大磯の方が良さそう→コチラ参照)。大宮ナンバーの車もいたので閉館記念参り(?)だと思うのだが、それでも4台なので淋しい限り。


そもそも、ららぽーと内にTOHOシネマズが入っているし、上映作品が『トランスフォーマー』(もうひとつのスクリーンは『舞妓 Haaaan!!!』)とすでにロードショーを終えたものなので大入りを期待する方が無理か。周囲にフェンスを張り巡らしているが覗き見は防止出来ないし、車内にビデオカメラを持ち込んでの盗撮も防ぎきれないので、どうしても二番館的プログラムになるのだろう。値段も3400円(一台2名以上)と安くはない。大勢で行けばお徳だと思うかも知れないが、アメ車のオープンカーならいざ知らず、ルーフが邪魔するので後部座席から見るのはかなりキツイ(中央部:運転席と助手席の間から覗けばスクリーンは見えるがサイズか姿勢のどちらかが厳しくなる)。
音声はFMラジオを通じての受信となりアクセサリーポジションでも聴けるが、空調の問題もあって多くの場合2時間以上アイドリング状態を保ったままとなり、環境にも優しくない(昨今ガソリン代も高いしね)。


などなど問題多く、やはり存続は厳しいと言えましょう。今回の調査費は6778円(車レンタル代、保険・ガス代込み)+3400円(入場料)÷2で五千円オーバーでありました。

映画館と観客の文化史 (中公新書)

映画館と観客の文化史 (中公新書)