実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

テアトル新宿 15:20 約150名 オトコ7:オンナ3 年齢層高し


若松孝二監督『実録・連合赤軍』がエライのは入場料金が2000円ということにある。
上映時間が3時間10分と長いから、というエクスキューズがあるのが惜しい。
できれば2時間台で2千円を達成して欲しかった、その方が内容的にもスッキリして良かったと思う。


もはや企業努力でどうにかなるレベルではない、観客数の大幅な増加が望めないなら単価を上げるしかない、という状況は他業種同様、映画業界でも当て嵌まること。
ならば2000円という数字は妥当だろう。
原油や小麦の価格が上昇し、それにつられて多くの食料品・各種サービスの値段が上がる今がチャンスだ。


以下は4,5年前にある方(日本人)に聞いた話。
ハリウッド・メジャーは映画館での興行は重要視していない。彼らはDVDが売れて利益が上げられればそれで良いのだ。理想的には直営・系列の映画館(主にシネコン)をショーケースとする。そこで短期間次々に上映し、DVDリリースおよびブロードバンド配信のサイクルを早めて(劇場公開と同時でも問題なし)購買に結びつける。
勢い映画館に足を運ぶ数は激減するが、ショーケースなので赤字部門で構わない。ただしショーに来るのは特権的なことなので入場料金は高くなる。
以上のことを合衆国本土でいきなり開始すると様々な反発が予想されるので、まず日本で実験する。


それから時は経ちました。
全国各地にシネコンを配備し、低価格競争を挑んでくる体力ある相手はほぼ潰し終えている(ミニシアターはメジャー作品がロードショー公開されることは少ないので対象外)。
ADSLから光・ケーブルへの移行も順調。
アナログ放送終了、北京五輪を控えて大型テレビへの買換えが進み、次世代DVDがブルーレイで一本化した現在、まさに期は熟したと言えよう。


かくしてデフレスパイラル一転、インフレスパイラルの始まりです。
しっかり稼げ、野郎ども!