狂気の海

ユーロスペース 21:00


高橋洋監督『狂気の海』が明日からいよいよ東京公開される。
お名前通り、太平洋に高々と橋を架け渡した稀有壮大な問題作である、ぜひ御覧あれ。


大阪での公開が先行したのは34分という上映時間による。大阪では『一万年、後...。』とカップリング上映されたのだが、『一万年、後...。』が公開済みの東京では高橋洋氏のセレクションによる作品を揃えて来た。私たちが上映させて戴いた作品もあるので簡単にご紹介します。


松村浩行監督『YESMAN/NOMAN/MORE YESMAN』。
作品に張り詰めた強度に震撼するだろう。どうしてこんなことが達成されてしまうのか驚異の世界。
私にはうまくこの作品を説明するなんてことは出来ません、ともかく観て下さい。
シビれてしまったアナタは同監督の最新作『TOCHIKA』(藤田陽子菅田俊主演)が同じユーロスペースで7月17日(木)に上映されるのでぜひぜひどうぞ。


遠山智子監督『アカイヒト』は稠密なモノクロ映像に言葉を失うことだろう。私たちが上映した際にはテープの状態が良好でなくご迷惑をおかけしたが、その後保存良好なテープが出て来たとのこと。その際御覧なった方もぜひ今一度どうぞ。


浅野学志監督『空の飴色』は女性たちがすくっとカッコイイ、スピード感溢れるサスペンス映画。
小出豊監督は万田邦敏監督のTV作品の脚本を書いている方で、『お城が見える』というメルヘンチックなタイトル作品がどんな世界を描いているか、お楽しみに。


長島良江監督はおっとりされた方で気安く接していたが、『さらば、愛しき女よ』鑑賞以降は私も態度が改まりました、オンナの人は怖いです。この作品で姉を演じていたのが粟津慶子監督で『犬情』は恐るべき怪作。


オトコどもを描いているのは宮田啓治監督『山嵐』と宮本亮監督『とっぴんぱらりのぷう』。
前者は幕末を舞台に真っ向から描いているのが何とも心地よく、後者は現代の全く真っ当ではない若者たちをアクロバテックに捉えている。


なお7月5日(土)には何らかのサプライズが用意されているとの情報もあります。
『狂気の海』は気づきにくい仕掛けが色々と施されているようなので、こりゃもう複数回通うしかありませんね。