戦国群盗傳(59年版)

6月20日(土)よりラピュタ阿佐ヶ谷で上映


本日ある映画評論家の方より知人を通じて『戦国群盗傳』についてご指摘を受けました。
それは、以前観たものは本来カラー作品であるものをモノクロに焼いた粗悪なプリントであった、というものです。
ちょっとネットで調べただけなのですが、こちらの方の文章からもそうした事態があったようです。
まずはご指摘戴いた方々に感謝(全然知りませんでした)、そしてご安心下さい、今回上映するのはカラー版です。
01年に35ミリプリントを焼いたもので、私もチェックに立ち会いましたが状態はとても良好でした。


またこの作品については、誤解を受けそうな点があるのでご注意申し上げます。
山中貞雄が脚本を書いたのは、同じ鳴滝組の滝沢英輔に宛ててですが、今回上映するのはこの滝沢監督版(37年)ではなく杉江敏男監督版(59年)です。
なぜオリジナルでなくリメイクを選んだかについては、西山洋市監督がトークの際にお話されると思います。


滝沢版も上映されることが稀ですが、キネマ倶楽部からVHSが出ています(杉江版は未ソフト化)ので、ご興味ある方はぜひ御覧になって比較してみて下さい。
なお杉江敏男は大学生の時に山中貞雄にインタビューを行い、作品評も記しています。
杉江版の潤色をした黒澤明は、滝沢版で助監督を務めており、この時の経験が『七人の侍』や『蜘蛛巣城』に繋がったと『蝦蟇の油』に記しています。
山中と縁の深かった二人がどう『戦国群盗伝』を描いたのか、どうぞお楽しみに!
(『河内山宗俊』の上映素材については今しばらくお待ちを…)