シャーリーの好色人生と転落人生

池袋シネマ・ロサ 20:30 約30名 オトコ6:オンナ4


百年に一度の不況とやらの現在において、本作はあまりに楽天的に映るかもしれない(撮影自体はリーマンショック以前だとしても)。だが本当にそうだろうか。


『転落人生』の冨永昌敬監督は、軽やかさを身上に突っ走ってきた印象を受けるが、ここでは自らが築いたモノの重み、持続したことから生じてくる撓みを引き受けているように感じた。ナマリはギャグではなく切実な錘だと思う。


一方、その重力世界に招き入れられた『好色人生』の佐藤央監督は、登場人物のメヂカラという活力と、横臥することによるリセットによって、それを突破しようと試みているように感じた。
どうやら事態はただならぬ局面に突入している様子だ。