アワーミュージック

シャンテ・シネ1 16:55 約80名 オトコ8:オンナ2


本日は映画の日。千円均一なんだからこそ冒険しなきゃイケナイのに、
ゴダールの『アワーミュージック』とは、我ながらツマラナイ大人になってしまったと、
日比谷シャンテに到着してから気づく。
こちらも全席指定(初回を除く)になっておりました。
更にエレベーターの扉が開いて改装したことに気づくなり、嫌な予感。
やはり「全館禁煙ですので建物出た右手の公園で吸って下さい」とのこと。


まあツマラナイ大人なので、もはやこれくらいのことには動じません。
真に衝撃的だったのは売店でビールが売っていないこと!
折角のゴダールだから楽しみにしていたのに!


私にとってゴダール映画とは他の映画なり本や絵画を想い起こすことが、
大きな楽しみのひとつ。
ヌーヴェルではなくどこかの誰かが言うことには<古い>欧州の、
記憶の厚みに対面するのにはとても素面ではやっていられない。


冗談ではない。それが証左に劇中に登場するゴダール師は常にビールを飲み、
シャンパンを注文していたではないか。
サラエヴォモスタルは一度訪れたことがあり、とても好きな街なので、
その意味からも<懐かしさ>があったのに、
愉しみを半減させた日比谷シャンテの行為は犯罪であると、ここに告発する。


全席指定とは各回入替制の言い換えでもあり、
つまり上映1回目はうつらうつらしながら見て、
2回目にしっかり見る、という鑑賞方法も許されないということ。
私も「最近の若者は〜」という常套句を用いて全く問題ない立派な大人、
もといオッサンになった訳だが、こうした限定されたあり方が当然、
というか、それしか知らないで育ったなら<自由>なんて恐怖の対象だろう。


話が暗くなってしまったのでアカルイミライをひとつ。
時間帯によるのかも知れないが、日比谷シャンテ特有のオバサマ連れは皆無。
映画の日だというのに客席は4割ほどしかうまっていない。しかもオトコ率8割。
これは個人的に待望する日の到来が近いと確信した。
(10月27日の日記ご参照下さい)