夜よ、こんにちは

ユーロスペース1 14:20 約70名 オトコ5:オンナ5 年齢層やや高し


本日封切りはマルコ・ベロッキオ監督『夜よ、こんにちは』。
イタリアの赤い旅団がモロ元首相を誘拐した実話に基づく作品で、
監禁生活の間に犯人が人質に感化されるというリマ症候群(ストックホルム症候群の逆)や人質以上に犯人が不自由な存在に陥っていく事態、あるいは祖父と孫娘(世代)の交情といった言葉や図式には収まりきらない、ある種の緩さやハッタリすら含んだ豊かさ・過剰さに撃たれました。


緩さとはマヤ・サンサの見る夢であったり、インチキこっくりさんだったり、ハッタリとはピンク・フロイドの音楽だったりするのですが、これが実に効いています。
余計なおしゃべりは慎みますが、ぜひご覧になって下さい。
2003年のイタリア映画祭で上映された『母の微笑』も素晴らしかったマルコ・ベロッキオが過去作品を含めて、もっと日本で上映されるべき監督だと言うことがお分かりになると思います。