誰かあの娘に会ったかい?

プリントチェックのためにダグラス・サーク『誰かあの娘に会ったかい?』試写。
巻頭かなり傷みがひどくパーフォレーションが噛み合わないようで画像が乱れアセる。しかし3分もすると落ち着いてきてひと安心。褪色もそれほどなく胸をなで下ろす。『愛する時と死する時』と異なり恐らく元々スタンダードサイズでトリミングもされていないと思われる。それでも作品中コマが飛ぶところがあることは申告しておきます。また蒲鉾状にフィルムが反っているところもあってピントが合わせづらいと映写技師さんが仰っていました。


こちらの映写技師さん、まだ青年と呼ばれる年齢ながら、連日異なる各種素材を扱っているのでその経験値は大ベテランのもの。当日御覧になる方々もこの素材においてはベストの上映状態ですのでその点ご了承下さい。


さて作品内容ですがメロドラマ、ではなくミュージカル、ダンスシーンを盛り込んだウキウキのコメディでした。フランク・キャプラ監督『毒薬と老嬢』(44年)、アレクサンダー・マッケンドリック監督『マダムと泥棒』(55年)と共に勝手に三大傑作老人コメディとさせて戴きます。併せてオシャマな女の子(小学生低学年くらい)を配している手腕もさすが。


サーク初の長編カラー作品ということもあるのでしょう、上流社交界での色とりどり絢爛衣装も楽しめますので女性の方もぜひどうぞ! 会場ちかくの北海道という居酒屋が上映当日女性ひとりにつきドリンク10%(最大50%)オフなのでホントお願い致します!
ついに村上ファンド総帥も逮捕されるようで、マネー、マネー、マネー! のご時世に愛想が尽きた方にも強くオススメいたします。


そして併映短編の『CYCLING』ですが主演:高橋幸さんを含めとてもキュート!
監督:小田とは小澤ひろみさんと前回傑作選にて『とどまるか なくなるか』を上映した瀬田なつきさんのことなのですが、これが勝手に「ボクはあの娘に会ったのさ!」とサブタイトルをつけたくなるほどのマッチングぶり。『誰かあの娘に会ったかい?』にも驚異的なCYCLINGシーンがあってプログラマー自身もびっくり致しました!
ということで両作品とも見逃すと間違いなく人生の損失、ダグラス・サークって誰? という方、ならびに日本語字幕なしですが英語チンプンカンプンという方でも楽しめることを確約いたします。