精霊のささやき

eigahitokw2006-07-31


 植岡喜晴監督が84年の8ミリ超大作『夢で逢いましょう』(9月17日neoneo坐で上映)の後、35ミリで劇場公開を飾ったのが『精霊のささやき』(87年)。


 主演は、つみつくろう(現・辰巳琢郎)ではなく、つみきみほ。新宿ツタヤではアイドルコーナーでも青春モノでもなくサスペンスの棚にあります。どちらかと言うとファンタジーだと思うのだが、何だか判りづらいですね。
 一般商業作品なのでさすがに『夢で逢いましょう』ほどのハチャメチャはしておりません。その分制作費はあるので美(術)に力が入っています。


 少女の幻視というのは植岡監督のひとつのモチーフ。『月へ行く』にもその要素があるのですが、脚本を遠山智子さんが共同担当していることにより、男性から見た少女の儚さだけでなく、少女特有の残酷さが加わり、より深みが増しているように感じます。遠山さんは新作『ルックオブラブ』で出演(役名ラブジョイ!)、『やくざと地底人間』では撮影も担当しているのですが、摩訶不思議な組み合わせにして最強コンビです。


 画像は『赤猫』(大工原正樹監督)出演の植岡喜晴監督。