白い肌に狂う牙、SCHOOL DAYS&SCHOOL SOUNDS

アテネ・フランセ文化センター 19:00 約120名 オトコ6:オンナ4


 おお小松弘美さん、美しいとか、万田邦敏さん若い! とかつい愚かな感慨に溺れてしまいそうになったが、3作品とも間違いなくカッチョ良かった。『SCHOOL DAYS』と『SCHOOL SOUNDS』はタイトルを入れ替えてもOKと思うほど、特に音楽やナレーションを含めた音の使い方が素晴らしかった。8ミリ撮影なので同録が出来ないことによる苦肉の策だったのかも知れないが、逆に約30年間の技術ハンディをものともせず、冨永昌敬監督作品をダシ抜いていたように感じた。


 翌日のBプログラムは仕事で残念ながら行けなかったのだが、特に初回は狂騒が演じられたらしい。一方PFFスペシャルは全般的に人出が少なかったようで、黒沢清一本かぶりの現状って健全じゃないなと思う。たかだか(?)10年前には黒沢清監督作品って今はなき中野武蔵野館で一週間限定公開ってのが定番だったのであります。次にも他にも野心あふれる映画作家が多数渦巻いているのであります。


 1993年1月27日、同じアテネ・フランセ文化センターにて。やはり黒沢清監督上映会で、出版されたばかりの『映像のカリスマ』のミニサイン会がありました。「何か好きな言葉を書いて下さい」と私がお願いしたらじっと考え込んでしまった黒沢清氏。後ろに並んでる方々も明らかにイライラし始めるくらいで、進行役の方が「黒沢さん、『努力』じゃないんですか?」と助け舟を出したが「努力するのは当たり前だから」と一蹴。なおも考え込んだ氏がようやく記してくれたのは「勇気!」でありました。