映画美学校映画祭最終日

映画美学校 14:40〜 約40名→80名 オトコ6:オンナ4


 午前中に札幌を発ち、映画美学校映画祭最終日に駆け込む。Cプロは第7期F科高等科修了作品『すみれ人形』。そしてDプロが第8期F科高等科コラボ作品、井川耕一郎監督『西みがき』。


 『西みがき』、前作の『寝耳に水』から遥か遠くへ旅立っていた。死んだ人間を残されたふたりが回想するという構成は変わっていない。ただし落下というテーマを残しながら、昇天という動きが加わっていた。それも勢いに任せたものではなく、ゆっくりとした運動。相手の動きを利用してごろんごろんと、あるいは身体をふたつに折って股座から覗くという至極簡単な動作によって、天地を転覆させてしまう。井川耕一郎氏こそ9・11以降のテロリスト、あるいは寝技のスペシャリストなのだと確信した。役者たちがいとおしくなるくらい魅力的。階段踊り場のシーンをぜひ見て欲しい。


 ところで以前は映画祭出品作から選ばれていたスカラシップに変更があった。過去は短編でもOK、自主ならではの作品が数本受賞していたのだがコチラに変更。劇場公開を目指す長編(70分以上)1本のみに500万円、という硬直ぶりには賛成できません。