ついのすみか

eigahitokw2006-12-08


「プロジェクトINAZUMA」打ち合わせの後、井川耕一郎監督に『ついのすみか』裏話を伺う。
撮影は行定勲監督作品(『贅沢な骨』、『きょうのできごと a day on the planet』など)で知られる福本淳さんなのだが、当時早大理工学部の学生だった福本氏は監督が頼みもしないのに恐るべきこだわりを発揮したそうだ。8mmカメラのステディカムを自作したというのも凄いが、この『ついのすみか』でのテーマは家庭用電球で撮影する!だったそう。撮影用ライトを当てた方がよっぽど早いと思う監督をものともせず、40Wとか80Wとか取り替えてみては顔の間近にまで寄せてみるといった具合。
録音担当は高校の時放送部だったという理由で抜擢された山岡隆資氏。山岡氏は同録にこだわり、8mmカメラ諸共福本氏も布団でぐるぐる巻きにし、福本氏を幾度か酸欠状態に陥らせたそうだ。当日はVHSでの上映なのでどこまで画像のニュアンスが伝わるか判らないが、何かと便利なデジタル世代と違った8mm時代の奮闘ぶりをお伝えできればと思う。


西山洋市・大工原正樹監督を交えてはVシネ時代の話を伺う。巷間で流れているVシネ評には少なからず誤りがあるらしい。それは制作から発売まで一年空いたりして発表される順番が入れ替わっていることがある、脚本などで公式(?)にクレジットされているのと実際は違う場合があるということに因るそうだ。他のジャンルでもあることだろうがVシネはそうしたケースが特に多いらしい。カメラマンが35㎜カメラを所持しているので端尺を貰って来てベッドシーンだけ35㎜を回す、ということも行われていたそうだ(パートカラーならぬフィリップ・ガレル方式!?)<この部分訂正あり。コメント欄ご参照下さい>。もったいないからブログには記さないが万田邦敏氏がなぜエロスVシネを撮っていないのかという疑問も氷解した。


Vシネは劇場公開された作品も次々とプリントがジャンクされ、レンタル屋からもビデオが姿を消している状態。製作元が経営不振に陥り、DVD発売もままならないケースもあるらしい。当事者たちの記憶もそろそろヨレ始めている(失礼!)。記録(インタビュー)するなら今だと思う。「アンタがやりなさいよ」と仰るむきもあるだろうが、私は酔っ払ったら次の日にはメモリーが大半削除される体質だ。悲しいことだがこればっかりは仕方ない。どなたかお願いします。


8mm、Vシネ時代、デジタル世代のこれからと色々な話が聞けると思う。まずは12月10日の上映会においで戴き、できればその後の打ち上げまで参加して戴きたい。知り合いがいないからと臆することはアリマセン。「オトコとオンナの映画秘湯」は出会い系上映会なのです。