腹腹時計&御巣鷹山

eigahitokw2007-04-27


代々木八幡区民会館 16:30&19:00 約120→180名(客席6→9割) オトコ7:オンナ3 若かった


ついに東京降臨を果たした渡辺文樹監督『御巣鷹山』。バカなので21世紀に入ってから風邪をひいていなかった私なのに、興奮のため珍しく体調を崩してしまって残念ながら『罵詈雑言』は断念、『腹腹時計』と2本の鑑賞。


天皇襲撃を描くとか日航機墜落事故の真相を暴くとか、とかくスキャンダラスな話題を振りまく渡辺文樹監督作品ながら、この2本は端的にアクション映画でした。『腹腹時計』での女テロリストに向かって渡辺監督がユニットバスのドアを開け、その白い扉に暗殺計画を図解するところなんて本当にカッコ良かったです。


ただし渡辺監督、どこまでが本気なのか真意を掴みかねる。この扉も後で刑事たちが踏み込んで計画が露見するというオチをつけてしまう。『腹腹時計』の刑事たちも『御巣鷹山』の首相警護隊も見事にジイさんばかり。人づてに聞いた話では経費削減のためシルバー人材に発注した、往年の大部屋俳優だと思って動きは見る人が補って欲しいとのたまったとか。どうも怪しい。本人はこんな風に言われるのを一番嫌うだろうが実はシャイで照れ隠しをしている可能性もある。


なぜならそんな経費削減なんてタカがしれているわけで、だいたい2千万円と言っていた製作費を半分以下にする簡単な方法がある。それは35㎜ではなく16㎜で撮影すること(デジタルならもちろんもっと安上がり)。これも本人が言っていたように公共ホールでは35㎜の映写機を備えている場所は稀で、ほとんど16㎜での上映となるのだから初めから16mmで撮影した方が話も早い。友人いわく「自主製作映画で未だ35㎜にこだわり続けているのは世界でも渡辺文樹フィリップ・ガレルのみ」。


御巣鷹山』の前後に某宗教団体と暴力団の癒着を描いた『阿鼻叫喚』、『天皇伝説』(内容は推して知るべし)、そして『ノモンハン』と3本公開待機作があると話していたのにも驚いた。渡辺文樹、真に恐るべしであるが、お国の援助の下35㎜を撮ってしまう恐るべき学生たちもいて、コチラこんなリキ入ってないHPで良いのか、さすがに恵まれた坊っちゃん嬢ちゃんたちは宣伝に関しても渡辺文樹とは大いに考えも違うのね。まあ作品の出来はそれとは別の話なので楽しみにしております。