ファンキーハットの快男児＆二千万円の腕

ラピュタ阿佐ヶ谷　19:30　約20名　オトコ９：オンナ１

株にウツツを抜かす中原ひとみがキュート。個人的にバクチ打ちの女性は大好き。
ところでこの日この回、受付に向かって「人殴ったら出入り禁止になっちゃいます？」と大声で訊ねるお客さん（男性）あり。日曜の夜という劇場にとっては最も枯れる時間帯ながら開場待ちのロビーに静かな緊張が走る。あらら、こりゃ絶対来るなと思っていたら案の定、彼は私の隣に座ったのだった。You are wellcome! 上映者として絶好の学習機会到来也。

そりゃまあ落ち着きはありませんでした。劇中流れるジャズに合わせて足踏みはする、千葉ちゃんのファイトにも併せて腕振り回す。でも彼には別に悪意・敵意はなく、ただただ湧き上がってくる昂ぶりを抑えられないというだけの話。隣の私に身体がぶつかるとか、スクリーンが見えなくなるとかはなく（懸命に抑えた独り言が何を言っているのか、気になってしまって画面に集中を欠くという事態はありました）、むしろ盛り上がっちゃったくらい。危惧した方向でなくアナタがいてくれて作品がより一層楽しかったです。

何より感服したのはラピュタ阿佐ヶ谷のスタッフ（女性）。必要以上に他のお客さんに気を遣い、邪険にコトを荒立てることもなく、その場しのぎのトラブルを避けるために冷たく事務的にでもなく、恐らくは出入り禁止映画館ホルダーの彼に対して、あくまでひとりのお客様として沈着かつ柔らかく応接していて、お見事の一語に尽きました。後は憂いとしてウチからインタビュー依頼が舞い込まないよう祈願して下さいね、よろしくどーぞ。