YYK論争 永遠の“誤解”

今週の土曜日、9月8日(土)からポレポレ東中野にてレイトショー公開される沖島勲監督『一万年、後…。』、その8日にオールナイトで上映される『YYK論争 永遠の“誤解”』(99年)をDVDで観た。


タイトルから何やら堅苦しい作品をイメージされるかも知れないが、そんな心配(期待?)は無用。そもそもパロディだし、エロスの香りも漂っている。むしろどこへ飛んでゆくかさっぱり判らない沖島ワールドに対応するため、肩の力を抜き心持ちも軽やかにして臨んだ方が良いでしょう。


しばしば「YKK論争」と誤記されているが、それではパロディにならなくて、元々は90年代自民党内で竹下派に対抗しようと山崎拓(Y)、加藤紘一(K)、小泉純一郎(K)の3名で結成された同盟をもじったもの。この作品で論争(というよりダベリ)を繰り広げるのは(源)頼朝、(源)義経、(平)清盛の3名プラス常盤御前義経の母)。そしてこの4名を登場人物とした映画を撮影している風景を描いた作品なのだ。


自由闊達ぶりを堪能させる沖島ワールドながら、異世界からの(への)侵入というモチーフを含め、その基本姿勢は一万年後だろうが800年前だろうが全くブレがない。変わりがないと言えば、劇中でも嘆かれる映画製作現場の厳しい状況も同様だろうが、そんな中でなぜかゴージャスさを感じさせてしまうのが沖島監督独特のマジックだと思う。


さて常盤御前は選りすぐられた千人の美女の中でもナンバーワンだったそうだが、それを演じる「あさいゆきの」さんも妖しいまでに美しい。美しくてあやしいと言えば西山朱子さん。「なんであんな麗人がオニギリ握ってんだ?」と『一万年、後…』の制作現場・賄いでスタッフを大いに訝しがらせたというが、それはこの『YYK論争』に出演しているからだ(出演時:今関朱子)。美しくて体育会系が好みという方にはアナウンサーの赤江珠緒さん。「まんが日本昔ばなし」の大ファンだというから、傑作選上映(コチラご参照)の夜ごと東中野に出没するに違いありません!


結局こんなアオリしか出来ず申し訳ない。作品評についてはどうぞ公式HPにて私のお師匠さんでもある絓秀実(シャケではなくスガ・ヒデミ)氏の文章(コチラ)を参照して下さいませ。『YYK論争』をフィルムで観る機会はなかなかないと思うのでぜひぜひどうぞ!


☆オールナイトで上映される『性の放浪』、『性犯罪』、『ニュー・ジャック&ヴェティ』は16ミリでの上映となるそうです。