性の放浪&性犯罪

ポレポレ東中野 23:15 約60名 オトコ6:オンナ4


沖島勲監督『一万年、後…。』公開記念オールナイト。上映前に沖島監督と足立正生監督の対談(司会は平沢剛氏)があった。大変開けっぴろげで楽しいトークだったが、劇場に駆けつけた者のみの特典としてその内容はここには記さない。


沖島氏の脚本作品(クレジットは出口出)、『性の放浪』(若松孝二監督)は認知されるはずのない出張とでも言うべき、気がついたら在勤・在住の地より遥か彼方に来てしまった男が帰るに帰れなくなってしまう話で、後に沖島氏が展開をはかる要素が詰め込まれた、実に興味深い作品だった。


『性犯罪』は彼女を寝取られた上、誤って殺されてしまう学生を演じているのがひょっとして足立正生監督なのかと思い、上映後松島政一氏に伺うと「あれは瓜生良介、ピンク映画を見ながらマスをかいているのが福間健二、喫茶店でコールガールのチェンジを要求するのが佐藤重臣!」と明快に教えて戴いた。


16ミリシネスコの映写ピント合わせはかなり難しいそうなのだが、そもそもプリントの状態が良好とは言えなかった。画面に滲みが出ていたのだが、これはエマルジョンが腐食しているのだそうだ。しかも『性の放浪』はオリジナルネガが一巻分紛失しているとのこと。若松プロが国立フィルムセンターにプリントを寄贈しているとは考えづらいので大問題だが、今からでも早急に何らかの保存手段を講じるべきだろう。


三本目に上映の『紅蓮華』はつい最近ビデオで観ていたので失礼させて戴きました。