タイペイ・ストーリー

TOHOシネマズScreen2 11:20 約350名 オトコ6:オンナ4


私にしては珍しく前夜『高麗葬』後の飲み会も早々と切り上げ、当日券を取るべく自宅へ戻る。午前零時スタートのネット販売、しかしなかなか繋がらないまま、パン・ホーチョン監督『出エジプト記』は売り切れ、何とかエドワード・ヤン監督『タイペイ・ストーリー』一枚だけ確保。
事前には知らなかったのだが上映前に蓮實重彦氏がエドワード・ヤン監督の思い出を語るトークがあって、かなりお得感はあった。しかし、である。


この『タイペイ・ストーリー』、調べてみたら1995年6月に乃木坂にあったラ・カメラ(現在は下北沢にある)で私、観てました。主催は「アンリ・ラングロワ集団」と言い(いいの!そういう時代だったんだよ!)、明治学院大学映画研究会を母体としたもの。当時の同時上映作品はジャック・リヴェット監督『王手飛車取り』(16ミリ版)とマーティン・スコセッシ監督『君みたいな素敵な娘がこんな所で何しているの?』(8ミリ版)。この方々は94年7月に今回の東京国際映画祭でも上映されている『海辺の一日』をやっています。


リヴェットとスコセッシは措いておいて、なぜそんなことが出来たかと言うと台湾資料センターが貸し出していたから。海外の駐日政府機関が自国の文化を紹介するために、大抵の場合無料で16ミリプリントを貸し出していたんです。私たちもチャッカリと05年5月に同じ台湾資料センターから借り出してフレッド・タン監督『離魂』・『怨の館』を上映しましたが、この時も結構無理にお願いしてという状態、現在はもう貸出しは行っていないはずです(奇しくも明治学院大学に寄贈予定と言っていました)。牧歌的な時代は終了しました、過去作品であってもDVD発売があるので著作権の問題がウルサクなってきたのですね。現在でも無料貸出しを行っているのは韓国文化院くらいではないでしょうか(コチラご参照)。ただし入場料金徴収は厳禁なので自前で会場を所持しているとか、後援がついているとか、あるいは赤字覚悟でないと上映会を行うのは難しいです。


ところで因果応報。観た作品や場所のことは覚えていても、主催者のことなんてちっとも覚えていませんね。荻窪のアール・コリンで加藤泰監督の作品を上映していたのは、やはりこの「アンリ・ラングロワ集団」なんでしょうか? 多分同じくらいの時期だと思うのだけど、高円寺北口線路沿いの文化センターみたいなところでジョン・フォード監督『荒野の女たち』やジョン・ヒューストン監督『ファット・シティ』を上映していたのは、どちらの方々だったのでしょう。プリントの状態必ずしも良好ではなく、日本語字幕もありませんでしたが、現在のように海外DVDを購入するよりも遥かに安価で作品に触れることが出来ました。どなたかご存知だったら教えて下さい。