PASSION

ユーロスペース2 21:00 約180名(満席・立ち見・入場お断り) オトコ5:オンナ5


藝大修了作品の濱口竜介監督『PASSION』、前評判高く、かつユーロで上映される4プログラムにあってこの作品だけ上映機会が一回しかないことも影響してか大盛況。


技術的レヴェルは間違いなく高いと思う。上映後の友人・知人たちとの会話により私が感知できなかった点も多々あったと知った。だからこそ惜しまれる。


河井青葉が教師として勤務する中学校で自殺した生徒について問題提起を行う、その続きこそが観たかった。それは終盤のR30男女3人のシーンで切り返されるという説もあるようだが、ルール設定が行われれば一応それに沿って進められる同世代内でのゲームではなく、前提だと信じていたルールが全く無効だったと判ってからの、異世代・異感覚との真剣勝負が観たかったということに尽きる。


物語・テーマ上だけではない。狂気を発動し始めた河井青葉の顔からは眼が離せなかったし、それに対峙する、一種ふてぶてしい中学生たちの顔も素晴らしかった。その続きが観られなかったのが本当に残念。