河内山宗俊とチラシについて

6月6日(土)よりラピュタ阿佐ヶ谷で上映する『河内山宗俊』の素材について、デジタル(ブルーレイ)だけでなくニュープリントを焼くことも含め、色々と考えたのですが現存16ミリで行うことにしました。


事情を説明します。日活には現在『河内山宗俊』の16ミリプリントが3本あります。その中で一番状態の良いものを送ってもらい、先日プリントチェックをしました。
音声の状態は良いとは言えませんが、聴き取れないというレベルではありませんでした。ラピュタ阿佐ヶ谷の映写技師さんによると、おそらく07年に上映したのとは別のプリントだと思うとのこと。


音声は途切れますし、プリントに傷もありました。ただし同時期の作品プリントと比べて、著しく状態が悪いとは感じませんでした。また西山洋市監督が気にされていたのはピントが甘目であること。映写技師さん(経験豊富な大ベテランです)に確認すると、それは映写によるものではなく、プリントの焼きによるそうです。更にこれは恐らくインターネガに起因するもので、ニュープリントを焼いてもインターネガが同じであるなら、その点は解決しないだろう、とのことでした(オリジナルポジ→インターネガ→上映ポジという工程です)。


その後、日活さんにお願いし、16ミリニュープリントを焼いた場合の見積もりを出してもらいました(基本的にニュープリント費用は劇場・上映サイドの負担です)。
河内山宗俊』をニュープリント上映! と銘打てれば、新企画第一弾として堂々たるものとなる。その宣伝費だと思えば、それほど高くない(ビンボーなんで決して安くもないですよ)と思える値段でした。


う〜ん、どうしたものかと迷ったのですが、ウチの宣伝にはなっても『河内山宗俊』プリント問題の根本的な解決にはならない(音声は良くなるけれど)。一番はやはり35ミリのニュープリントを焼くこと、それには35ミリのインターネガを起こす必要があり、その費用はちょっとウチでは担い切れません。


時間の制約があり、チェックできたのは冒頭より10分程度なので、これ以降にもっと状態が良くない箇所があるかもしれません。また私は『河内山宗俊』を見直したばかりだし、シナリオも読んでいるので、聴き取りやすい状態だったとも思います。けれど鑑賞(聴き取り)不能というレベルにはない、フィルム鑑賞として受け入れられる範囲、と私が判断しました。


ご不満に感じられる方もいらっしゃると思います。『河内山宗俊』上映中はトーク以外の日もなるべく立ち会うつもりです。また当ブログにコメント戴いても結構です。どうぞ御覧になってのご意見をお聞かせ下さい。


お知らせをもうひとつ。
「役に立つ山中貞雄」チラシデザイン完成しました。俊英デザイナーさんが腕によりをかけて造ってくれた、ウチとして自慢したくてたまらない、とってもカッコイイものです。
西山洋市監督の文章(キャッチコピー、ボディコピー&作品解説)も秀逸!
本日入稿したのでゴールデンウィーク後半(5月頭)には皆さんに御覧戴くことができると思います。どうぞお楽しみに!