センチメンタル・アドベンチャー

DVD鑑賞


クリント・イーストウッド監督『センチメンタル・アドベンチャー』(82年)、最新作『グラン・トリノ』と大いなる親和性を持つ傑作。
確か『許されざる者』(92年)公開時だったと思うが、文芸坐イーストウッドの特集が組まれたと記憶する。
もはやイーストウッドに限らず、ハリウッドメジャーの旧作をスクリーンで観る機会は非常に稀なものになってしまった。


ところでこのGW中、韓国の全州国際映画祭ではイエジー・スコリモフスキー監督特集が組まれ、『不戦勝』、『バリエラ』、『出発』、『手を挙げろ』、『早春』、『ザ・シャウト』、『ムーンライティング』、『40のドアの鍵(フェルディドゥルケ)』に『アンナと過ごした4日間』とドキュメンタリー作品が上映されていた(コチラご参照)。
ウォン安だけに渡韓も考えたのだが、もろもろ事情によって果たせず、無念。
スコリモフスキー作品もDVDではなくスクリーンで観たいので、是非とも東京国際映画祭で特集を組んで欲しいものだ。


せめて自国の作品くらいはスクリーンで満喫したいものだ。もちろん山中貞雄特集に話は行き着く。
そろそろ皆様のお手元にもチラシが届く頃だと思うが、その中で「生誕百年」という言葉は使っていない。99年目だろうが101年目だろうが、それ以降も毎年山中がこの世に生まれたことを寿げば良い、スクリーンで観る機会があり続ければ良い、現在だからこそアクティブだと信じる、そんな思いからだ。


個人的な想いとして。
山中貞雄は戦死した人間である。国の機関に「ハッピーバースデー、さだやん!」なんて言って欲しくない。
そう西山洋市監督にお話したら「それは違うんじゃない、いっぱい観る機会があった方がいいじゃん」と言われ、自分のケチ臭さに気づかされたので、この点は深追いしないことにする。