人情紙風船
ラピュタ阿佐ヶ谷 21:00 約60名(満席) オトコ6:オンナ4
第3回目を迎えた西山洋市トーク、この晩も盛況をもって行うことができました。
ご来場戴いたみなさま、ありがとうございました。
明るさを持った三村伸太郎の脚本を大幅に書き換えた、山中貞雄が目指したものは何だったのか。
『トウキョウソナタ』との異同を照らし出しながら、解き明かしてゆくトークでした。
時間的な制約からも、少ししか触れられることのなかった画調や構図についてなど、
トーク後の打ち上げでの話を少々記します。
カメラがハリウッド帰りの三村明なので、堅くメリハリがある。
山中貞雄はT字路のセットを好んだ。
また長屋を移し出す縦構図において、当初は画面奥が抜けていた(=空だった)のだが、
山中の要求で埋められた、そこに何が映っているか。
西山監督が何度見ても不思議と語られたラストシーンの紙風船の動き(関係者の話から、かなり時間がかけられたことが判っている)と併せて、ぜひご覧戴きたいです。
また『河内山宗俊』の広太郎/直侍(市川扇升=小山内薫の三男です)も出演しています。
白駒屋の番頭=忠七なら判りやすいのですが、そうではありません。
ちょっと探し出してみて下さい。
などなど色々な見方が楽しめる作品だと思います。
観たことのない方はもちろん、観たことのある方もどうぞこの機会にお越し下さい。
聖林(ハリウツド)からヒロシマへ―映画カメラマン・ハリー三村の人生
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