花ちりぬ

フィルムセンター小 18:00 約130名 オトコ8:オンナ2


異様なものを観た、石田民三監督『花ちりぬ』(38年)である。
オトコは声がするだけで、ひとりも姿を現さないということだけではない。
禁門の変蛤御門の変)直前の2日間を、祇園の茶屋から出ることなく描いているが、その限定性だけに因るのでもない。


これが1950年代の作品ならさほど驚かないかも知れないが、山中貞雄が没した38年につくられたものだ(撮影は『河内山宗俊』の町井春美)。
そこに京都弁が飛び交い、昭和末期の女子高生を思わせるキャピキャピした女の子たちが、はしゃぎ廻ったりもする。


FCのチラシでは「祇園のお茶楼を営む母(花井)とその娘(三條)の葛藤を通して描かれている」とあるが、娘が花井蘭子で母が三條利喜江なので入れ替わってしまっている。
「日本映画データベース」の当作品ページを見ると、その花井蘭子の役名が「おきら」になっているが「あきら」である。
一体どうなっているんだ、石田民三についてキチンと知りたい。


2日間連続であるが、そんな目が出ることもある。
「やみシネ」推奨作品です、是非是非是非どうぞ。次回上映は27日12時より!