鬼火&新しい背広

    三百人劇場 19:10 約55人 オトコ9:オンナ1



三百人劇場はツッコミどころ満載の小屋である。
まず<三百人>といいつつ席数は257名。
前回の上映終了まではロビーに入ることは御法度なので、
35度を越える真夏でも木枯らし吹く真冬でも、
早く到着してしまうと建物外で立ち尽くす破目に陥る。
観客の平均年齢の高さは都内有数、
オトコ度の高さは都内随一を誇っている。


今回はチラシには確かに19:00と記してあるのに、
上映開始は19:10であった。
21世紀に突入したことを忘れてしまうほどの、
独自の大らかさを発揮しているが、
またプログラムも独自なのでちょくちょく通っております。
他の点についてはまたの機会に譲るとして、
劇場で手にしたチラシについて触れます。


その作品とは『輝ける青春』。
上映時間6時間6分はいいとして、
<鑑賞日予約制>とは恐れ入りました、岩波さま!
そして<ご鑑賞当日、特製ランチBOXのご注文を承ります>
の一文には21世紀ビジネスの香ばしい匂いが致しました。
個人的には全く観る気が起きないので、
どなたかリポートお願い致します。
それより同じイタリア映画祭で上映された、
『夜よ、こんにちは』の公開を待ち望んでいます。
頑張れ、ビターズ・エンド!


さて『鬼火』&『新しい背広』は、
プロレタリアの臭いに充ち満ちております。
私たちが<知られざる韓流>と題してキム・ギヨン作品を上映した際、
入りきれないお客様がいたので(失礼致しました)、
『下女』と『鬼火』でプロレタリア・ホラー2本立てで再上映したら、
とある映画監督にご提案を戴いたのでした。
ホラーと題すると女性に敬遠されがちですが、
この作品は血飛沫などはありませんので是非どうぞ。
『新しい背広』は微笑ましく、
八千草薫さまがボーとしてしまうくらいキュートです。


この2本は東宝の中篇文芸映画ダイヤモンド・シリーズ中のものです。
中篇ということで上映時間はどちらも50分ほどです。
1956〜57年の話ですがこの時代の方が映画上映の多様性があったんですね。