オペレッタ狸御殿

  新宿ピカデリー2 18:30 約60名 オトコ5:オンナ5 
    若者・カップル多し


さて鈴木清順監督の『オペレッタ狸御殿』です。
前述したように作品自体の批評を主目的とはしていないので、
細かい検証は抜きにして大雑把にやらせて戴きます。


石原裕次郎を撮れずにNo3だった清順師ですが、
周囲の祀り上げもあって、いつの間にやらNo1に。
しかし何しろ天邪鬼なので幸福な期間が長くは続かない。
No1のワシの命をNo3が狙いに来るだろうと楽しみにしていたのに、
次々と勝手に倒れていってしまう。
藤田敏八神代辰巳相米慎二など)
あー、おもしろない。


という訳で近年は悲痛さすら感じられたのですが、
今回は上の図式を突き抜けるところがあってとても楽しめました。
ところが。


お客さん、入っていません!
銀座・渋谷・新宿は今週で上映終了。
5月28日から公開だったのでわずか3週間の命でした。
しかも渋谷ではすでに『機動戦士Zガンダム』と入替併映という屈辱ぶり。
その渋谷シネパレスで観たウチのスタッフからの報告によると、
公開2日目にも関わらず約50名だったそうです。
ううむ。


確かに清順監督、ふざけています。
でも老人の悪ふざけを愉しめないなんて心狭すぎです。
日曜最終回という状況によるかもしれませんが、
客層が若かったのは救いでした。
却って中高年の方が余裕を失っているのでしょうか。


「狸御殿」シリーズのリメイクであること、
美空ひばりをデジタル出演させたことで、
その年代の掘り起こしを計ったのでしょうが、
それでも充分ではなかったとするなら、
熱演されていて個人的には何の不満もありませんが、
由紀さおりの役を若尾文子様に演じて戴く、
くらいの今更な代案しか思い浮かびません。


ところで土曜日から公開された『帰郷』では託児サービスを行うそうです。
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=4536
新しい試みをイロイロするのはとてもいいことだと思います。
しかし子供どころかヨメもいない私には良く判りませんが、
12歳児(小学6年生?)だったら一緒に観ればいいのに。
というか小学校に入っていればOKでしょう。
少しばかり騒いだり、そこらへん走り回っても大目に見ましょう。
後継者(No3!)をキチンと育てないと後々淋しい思いをする破目になります。


上記報告のスタッフ、一緒に御覧になった奥方が懐妊中なのですが、
お腹を激しく蹴ってはしゃいでいたそうです。
こうでありたいものですね。