右側に気をつけろ

吉祥寺バウスシアター 21:00 約60名 オトコ3:オンナ7
      年齢層若し


自分で体験していないのにひとにオススメしても著しく説得力に欠けるので、
行って参りました、吉祥寺バウスシアター、爆音レイトです。


さて吉祥寺というと昔は『俺たちの旅』やら『ろくでなしBLUES』やら、
映画で言うとデレク・ジャーマン監督作品の初上映地であったりと、
<ジョージ>と呼ばれて反中央のカルチャー発信地でありました。


<反中央>と言うなら平成の現在では木多康昭先生のように、
幕張や宇都宮を持ってくるセンスと距離感が要求されます。
(『喧嘩商売』のこの後の展開、というか幕の引き方、実に注目してます。)
映画では瀬々敬久監督がこの郊外を描く感覚が卓越していると思います。


話が逸れてしまいました。爆音レイトです、ゴダールです。
3メートルを越えるかという高さにアンプを積み上げているのは見た目からして迫力アリ。
飛行機の轟音、レ・リタ・ミツコの音楽、来るものがありました。
ゴダール殿下もピンクの靴下履いちゃって車に窓から乗り込んでオチャメ爆発。


またしても勝手に観客は30人くらい、年齢層高しと予測していたので、
若者ばかり、しかも女性率が高いのには驚きました。
原色使いまくり、ちょっとエッチでポップと、
21世紀の子供たちのゴダール入門篇としてはふさわしいのかも知れません。


作品が全く別物に観えたかについては、初公開時以来十数年ぶりに観たため、
「ああ、こんなシーンあったよね」という感傷に浸る始末、
云々する資格は私にはありません。
ただ現在では「過度の刺激」とのクレームを恐れて音量を低く設定している劇場が多い、
とも聞きますので贅沢な体験であることは間違いありません。


また注意していただきたいのは、
この『右側に気をつけろ』はフランス映画社が89年に初公開したものを、
ハピネット・ピクチャーズとアニープラネットが権利元のゴーモンと契約し直して、
03年にリヴァイヴァル上映したもの、ということです。


海外作品はだいたい5〜10年で上映権利が切れてしまいます。
そうなるとビデオやDVDで個人的に鑑賞出来ても、
スクリーンで観ることは無理ということになります。
ちなみに現在では権利が切れたものを再契約したり新たに契約するケースは稀で、
ゴダールトリュフォーなど一部有名ブランドに限られます。
ハリウッド・メジャーは日本支社があるので話は別なのですが、
旧作をプリント上映することに関しては概ね消極的です。
例外もあり大雑把で恐縮ですがお分かり戴けたでしょうか?


ついでに周辺情報。
吉祥寺伊勢丹脇の「とんかつ ステーキ 大鵬」はオススメです。
http://www.tnavi.com/tonkatutaihou/index.html
メインの他に5,6皿ついてくるゴッタ煮ぶりとサーヴィス精神は見上げたもの。
こんなに喰ったら絶対眠くなるよなと思い、泣く泣くビールは自粛いたしました。