甘い毒薬

ベルブホール 13:00 最大約50名・最少約15名 オトコ5:オンナ5
ヤングが多かった


本日は新宿を西へ多摩市は永山まで行って参りました。
と言っても新宿から約30分、8時間映画見て千円なんでお得だと思います。
そうそう忘れないうちにお伝えしておきます。
川口SKIPシティで行われる国際Dシネマ映画祭ですが、
ジャ・ジャンクーが来日し、
22日『世界』の上映に際してティーチインを行うそうです。
http://www.skipcity-dcf.jp/index2.html


さて多摩です。
TAMA映画フォーラムという団体が行っている映画祭でグランプリを受賞した、
伊刀嘉紘(いとう・よしひろ)監督の作品を中心に特集を組んだものです。
まずこちらのタイムテーブルを御覧下さい。
http://www.tamaeiga.org/event/newwave0703/nw0703.html


盛りだくさんですね。でもムチャです。
舞台挨拶も込みで、トークの時間が20〜30分しか取っていない、
8時間の長丁場なのに各休憩時間が10分間しか取られていない。
プログラムを見た時点で30分は押すだろうと予測していました。
行ってみて驚きました。
会場の5Fは喫煙はもちろん飲食も不可で3Fまで降りなければならない。
結局1時間近く押し、終映は夜10時でした。日曜夜なので電車の本数も少ない。
不親切も度を越しています。


私たちも2月の上映会で20分ほどの遅れを出し、
ご来場戴いたお客様にご迷惑をかけたこと、誠に反省しております。
TAMA映画フォーラムの皆様にも猛省を促します。


と、ここまでは観客としての立場です。
上映側としてはこの組み方、ものすご〜く良く判るし志の高さを感じます。
特集の中心である伊刀監督の意向もあったのでしょうが、
オープニングとエンディングが本人作品ではない、というのがまず大胆。
まだ本人の他作品があるというのに、
他の監督作品をジャンジャン入れているのも素晴らしい。
自主映画だけで固めることなく商業作品もやる姿勢にも懐の広さを感じました。
トークで伊刀監督が瀬々敬久監督に人生相談、
(「私はこれからどうすればいいのでしょう?」)する率直さにも心打たれました。


作品も良かったです。ひとことずつ感想です。
梵天』(監督:佐藤圭作)→耳かきに眼をつけたのは鋭い。美術も凝ってました。
『春のゆらぎ』(監督:横井真紀)→伊刀さんが仰っていた通り<乙女チック>だと感じました。
『梅珍獣』『膿震虫』(監督:高岡晃太郎)→爆笑しました。これぞ自主映画!
京マチ子の夜』(監督:冨永昌敬)→音楽PVということもあり冨永節全開という訳には行きませんでした。
『羽田へ行ってみろ、そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』(公開時原題「課外授業 暴行」監督:瀬々敬久)→『梅珍獣』『膿震虫』を含めて最も自主映画の香りがした。ロールが1巻抜けてるんじゃないかと思うほど話が繋がっていない! ピンク映画版『ションベン・ライダー』。
『ユダ』(監督:瀬々敬久) →『HYSTERIC』まではとても好きだったが『DOG STAR』、『MOON CHILD』、本気で作ったんですか?という(意訳)、若者から監督本人に命知らずの質問が飛んだが、同感の私もこの作品見逃してました。見られて良かった!


さて伊刀嘉紘監督作品です。
クロノイ・プロトイという楽団とのコラボを通じて
作品を作っていくスタイルは七里圭監督と共通するものを感じました。
撮影・美術など技術レヴェルも非常に高いと思います。
笑いもあって長丁場を退屈することなく乗り切れました。
ただハイブロウに加えてプロの役者(粟田麗など)が出演していることもあり、
自主映画という感じはしませんでした。
この<自主映画>については説明が必要なのですが、
ちょっと長くなってしまうので明日以降の日記で述べます。