天使の恍惚

ポレポレ東中野 約100名 オトコ6:オンナ4


さて同志Cと連れ立って東中野へ。
先日13日にタダで見せてもらったお礼という訳ではないのですが、
若松孝二レトロスペクティブ、『天使の恍惚』です。
交番を爆破するという劇中の話が実際に公開直前に行われて、
上映反対運動が起こり、新宿で一館のみの封切り、
それも2週間ほどで打ち切りになってしまった作品。


作品中で歌われる『ここは静かな最前線』(作・大和屋竺)をカヴァーした、
渚よう子さんのライブとトークショーつき。
今回の特集をプログラミングしたのは、まだ29か30歳の平沢剛氏!
若松監督に<学長>と呼ばれ、「平沢君にまた叱られちゃった」と呟かせ、
行方知れずになっていた作品を掻き集めてくる敏腕ぶりです。


「倉庫代が年間5万円かかるので不出来な作品はプリントごと売り飛ばしていた」
という監督の言葉は、遥か遠くの野蛮な時代を感じさせますが、
たかだか(?)30年ほど前に過ぎません。
また、作品を預けていたら無断で勝手にヨーロッパに売られていた
(これは最近の話!)、という空恐ろしい話もされていました。


その一方音楽に関してはオリジナル(本作は山下洋輔トリオ)か、
著作権の切れた作品を使用していた、
ピンク映画はその辺りがいい加減で山本晋也監督などは、
ビートルズを無断使用していたが後になって訴えられて使用料を請求された、
などなど作品管理や著作権について色々考えさせるトークショーでした。


作品も素晴らしかったです。
音程外しまくりで歌う横山リエに完全に参っちゃいました。
彼女の役名が<金曜>で、以下役職があがるごとに、
<十月>、<秋>、<一年>となり革命グループは<四季協会>。
これは「ブラウン神父」シリーズで知られる、
G.K.チェスタートン『木曜の男』が元ネタだとC氏に教えを戴きました。
お世話になりっ放しのC氏に多謝。