小川紳介と土本典昭

アテネ・フランセ文化センター 約40→60名 オトコ8:オンナ2


本日はまたしてもアテネ・フランセ、今回の特集は<小川紳介土本典昭>です。
作品は『青年の海 四人の通信教育生たち』(小川)、
『ある機関助手』、『ドキュメント路上』(土本)でした。


ウカツでしたが前回の西山洋一=洋市映画祭と併せ、
主催・共催が映画美学校で、それぞれ夏期講習に当たっているんですね。
だからマトモな社会人は通えない日程になっている訳で、
クーラーの効きも優しくなっていて実に納得。


さて講習ですので毎日講演(対談)があります。
今回はフィルムセンター主任研究官、岡田秀則さん。
講演をするのは初めてとのことでしたが、
お姿はTシャツ一枚と肩の力は抜けていました。
格好なんてどうでもいいことで、とてもタメになるお話でした。


私は良い生徒であったことはないので上手くお伝え出来なくて恐縮ですが、
例えばドキュメンタリーは監督(巨匠!)や出演(スター!)と言った点で、
一般の認知度がフィクションに比べて格段に落ちるゆえ、
何よりもまず出資者のためのジャンルであった。


最盛期の国鉄には内部に映画委員会が存在しており、
制作会社から多数持ち込まれる企画を選定していた。


やはり全盛期の岩波映画製作所には200人ほどの社員がいた、
これはフィクションの旧大手五社と比べてしまうと判りづらいが、
出版社が抱えるのは編集者のみで作家を雇いはしないことを考えると、
異常な事態かつ数字である、など切り口が新鮮で眼を開かされました。


会場には土本御夫妻もいらっしゃって想定外ながら質疑応答に登場!
『ある機関助手』はまだ臨時雇いの時で、
これを国鉄が採用する勇気はあるまいと思いながらも綿密に取材して提出したら、
全部で17作応募があった中から選ばれて意外だったとお話しになられました。


お盆ですから亡き小川紳介監督も降りて来ているに違いありません。
みなさん、アテネ・フランセに駆けつけましょう!