サオヤの月

シネマアートン下北沢 21:00 約40人 オトコ5:オンナ5


本日はシネマアートン下北沢にて藤川佳三監督のセルフ・ドキュメンタリーで、
離婚してしまった妻との関係を問い直す『サオヤの月』。


サオヤとは『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の竿竹屋のことであり、
件の本では読んでがっくりのオチなのだが、
こちらはきちんと商いとして成立させています。


私が他人の色恋沙汰、というか痴話喧嘩には関心を示せないこともあり、
願わくば労働ロードムーヴィーの側面を強く出して欲しかった。
その要素はあったんです。
冒頭ではまだ雪の残る地方(東北?)に売りに行き、
終盤では家族旅行に行った想い出の地、四国を訪れ浜辺にキャンプを張る。
元妻が子供たちと食事を作る間に元夫の監督は竿を売りに回る、と言った具合です。


<極私的ドキュメンタリー>と謳いながらカメラマンはもう一人存在している。
この方を顕在化させながら、労働面をもっと見せてくれれば、という感じです。


なおこの日は作品には出演していないけれど田中要次さんが、
上映後の監督とのトークに出られていました。
2週間の間、七里圭監督や批評家の大久保賢一さんなど、
ほとんど毎日のようにトーク出演者がいるのは人徳によるのでしょうか。