孕み白い恐怖

渋谷シネ・ラ・セット 21:30 約60名 オトコ6:オンナ4 
前田亜季ファンとホラー好きの女性多しと感じた


渋谷駅前で軽トラのパネル荷台側面にパキスタンの映像を投影して、
支援を訴えるピースボートさんを眺めたり、
(女性スタッフがプロジェクターを膝の上に置いて位置調整してた)
ブックファーストボリビア・ウカマウ集団の映画上映を続けている、
大田昌秀氏の文章掲載の雑誌「at」(太田出版刊)を立ち読みしたりして、

クォータリー あっと 1号

クォータリー あっと 1号

余裕こいてシネ・ラ・セットに行くと受付で、
「残席を確認していますから少々お待ち下さい」と言われてアセる。


ここには試写でしか来たことがなく通常の状態は知らなかったのだが、
なぜか前面フロアにはテーブルにソファーなどが並んでいて、
さながら旧アップリンク・ファクトリー状態。
空席僅かで仕方なくスクリーンから縦一辺分くらいしか離れていない最前席に座る。


「予告編の画質は本編より著しく劣ることをご了承下さい」
というアナウンスで上映はスタートしたのだが、
『孕み白い恐怖』の本編画像も著しく悪かった。


作品自体だけでなく劇場の造りが劣悪さを増幅している。
まず眼前のテーブル表面が光を反射する。よほど蹴倒してやろうかと思ったのだが、
隣席の方のドリンクが載っているのでそういう訳にもいかない。
更に裏にスピーカーが仕込んだ設計でスクリーンにメッシュ状の穴があいているのだが、
距離が近いので網目がちらついて仕方ない。
このような状態で早くも開始一分には意気阻喪してしまった。


その上注文仕事とは言えピンクからホラーにチャレンジした、
監督・田尻裕司と脚本・佐藤有記コンビが何を狙ったのか私には見えなかった。


○恐怖の対象を座頭市に設定したホラー映画
○一面雪という外界との境目がないのっぺらぼうの世界なのに、閉じ込められているという恐怖。
麻原彰晃を裁く者もまたバケモノである
○肩透かしの連打効果


この程度しか受け取れなかったし、いずれも成功しているとは感じられなかった。
かなり期待していただけに残念なのだが、
ヒッチコック『白い恐怖』の細部は忘れ果てている私なので、
見落としている点があるなら教えて欲しい。