Mr.&Mrs.スミス

新宿文化シネマ 17:05 約150名 ふたり連れ多し


正月第一弾はようやく『Mr.&Mrs.スミス』。
設定やストーリー展開は無茶苦茶だが楽しめる、という前評判は聞いていて、
実際その通りでありました。


それじゃあんまりなんでラストの幕の引き方について少々。
ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリー双方あれだけ仲間をぶっ殺し、
組織に甚大な被害を及ぼしておいて円満に職場復帰が果たされるとは考えられない。
組織とは幾ら凄腕であろうとも制御が効かない人物は抹殺するもの。
とするとあのカウンセリングは「今だったらこんな風に答えるのになぁ」
という仮想ということになる(おそらくブラピの)。


つまりあの後スミス夫妻は惨殺されることになるのだが、
そのシーンは撮らないというのがパート2製作も睨んだ、
昨今ハリウッドのしたたかさ、というか弛緩だと思う。
それは観客の側にも言えることでもうかなり以前の話なので、
何曜ロードショーかは忘れたがマックィーン『ゲッタウェイ』のTV放映の際、
「劇場公開した際には犯罪を犯した人間が無事に逃げられるのはおかしいという
声が強かったので<彼らはこの後逮捕された>という字幕を急遽追加した」
というエピソードを水野某かどなたかが紹介していたのを思い出した。


そもそも主演ふたりが属するのはスパイ集団というよりどう見てもテロ組織であり、
そんなものが政府の統括もなく乱立しているという状態なのだから、
これはイラクの現状をハリウッド・スターが演じていると捉えるべきなのかも知れない。