ガンダーラ映画祭

LA CAMERA 18:00〜 約20名 オトコ8:オンナ2 半数以上関係者(憶測)


本日はガンダーラ映画祭初日。会場に居たら聴こえてきた事を勝手に記す。
そもそもは笑いがテーマだったのだが、森達也氏が顧問になったことにより、
急遽ドキュメンタリーとなったそうだ。
道理で今までのイメリンとはテイストが異なる訳だ。


せっかくなのでその視点より、いまおかしんじ監督『南の島にダイオウイカを釣りに行く』はセルフ・ドキュメンタリーにチャレンジしたものだが、最後にフィクションに頼っている点に弱さを感じた。


山下敦弘向井康介(脚本家)コンビの『子宮で映画を撮る女』はフェイク・ドキュメンタリーを技法として選択した、というよりフィクション性を交えたドキュメンタリーしか撮りえなかったように思えてしまった。


やはりドキュであることに意識的なのは松江哲明監督『童貞。をプロデュース』。
2006年1月14日の渋谷は間違いなくどしゃ降りだったので、フェイクであることの指標なのか、あるいは単なる誤記なのか、逆説的ではあるが、そんな問いを無効にするほど緻密な構成・編集の腕前を見せてもらった。抱腹絶倒の陰に悪だくみはある。


しかしその上をゆくのが無冠の帝王=しまだゆきやす監督『私の志集三〇〇円』。
事実を揃えることで驚きを与えるという王道を行き、フェイク(替え玉)であることを放棄する様まで見せ、なおかつ対象に拒否されながら決して断念しないその姿勢。
これも聴こえてきたことなので勝手に記すが、当該住所を実際に訪れ、なおかつゼンリンの地図まで購入して確認するという猜疑心の強さと、自らの弱さまで曝したリリシズムの同居ぶりに真に心を撃たれた。無冠の帝王にはジャンルの境界も無用なのだろう。


さて先述『カミュなんて知らない』も完成から公開まで2年近くかかっているそうなのだが、こんな手詰まり公開待機状態に対し、プロデューサーでもあるしまだ氏は速度に賭けている。
チラシ配布時(上映一ヶ月以上前)には大半の作品は完成どころか撮影すら終了していない。村上賢司監督『犯罪学会』などは上映15分前に持ち込まれたというホヤホヤぶり。なのでチラシにある上映時間は全くアテにならずBプロは75分で終了のはずが120分近くあり、
大変腹が減りました。あと会場はとても寒い(空調がうるさいからオフにしてある?)ので腹ごしらえして厚着で行かれることをオススメします。