第九交響楽

フィルムセンター大ホール 16:00 約300名 オトコ6:オンナ4


ダグラス・サーク講義」も盛況だそうでフィルムセンターで『第九交響楽』(亡命前なのでデトレフ・ジールク監督)。


冒頭で自死した夫が公金横領していたのに始まり、他人の妻にちょっかいを出し、他人の子を養育し、あるいは他人の金で我が子を育て、しかもベビーシッターとして賃金も戴くという、めくるめく横領ワールドが展開されるさまに魅了された。また飛行機ではなく船舶の時代なので、合衆国とドイツを往還する際にいちいちインサートされる波が美しかった。この波は間違いなく『ラ・パロマ』でのダニエル・シュミットに受け継がれている。


ところで会場には違った意味の、ちょいワルおやじがいてバカでかい声でしつこく係員に訊ねていたので、この「ドイツ・オーストリア映画名作選」、今のところ満員御礼(入場お断り)は出ていないと知る。31日からの一週間は伴奏付なのでぜひどうぞ。ただし入場料金は1,000円となります。


一方この日アルノー・デプレシャンの新作『キングス&クィーン(仮題)』を上映した日仏学院は大盛況であったそうで19:30に追加上映を行ったそうだが、それすら13時過ぎには売り切れていたと友人から教えられる。ギャガ配給で一般公開が決まっているんだから何もそんなに焦らなくても良さそうなものだが。今回はどうだか知らないが『アワー・ミュージック』上映の際は約半数が関係者招待(試写)だったのでそりゃ過当競争が起こります。なんとかチケットをゲットしたものの当初予定していた15:00の回から19:30に回った人々の多くは四時間あまりの時間をギンレイホールやフィルムセンターで過ごした模様。これぞ美しき共存共栄というものです。