エリ・エリ・レマ・サバクタニ

テアトル新宿 18:45 約90名 オトコ4:オンナ6 なかなか若い


良いとは聞いていた『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』だが期待以上だった。
水曜千円均一のためかも知れないが若者が多かったのも、めでたし。
音と画に関してはすでに相当語られているので別のことを少々。


もう話が終わっても良いと思われる地点からなおも、
しかもダレることなく紡いでいく姿勢と手腕が見事だった。
そしてラストショットに至っては感嘆するばかり。


日本映画の現状を反映して公開待機の長かった本作だが、
ポレポレ東中野での吉田喜重特集に続いたのは観客にとって幸運だったと思う。
熱心に通ったわけでもないのにエラソーで恐縮です。


誉めるばかりではつまらないので難点を挙げると、
なかなか姿を現さないこと、岡田茉莉子から傘を譲り受けることから、
宮崎あおいが破格の扱いを受けているのは充分判るが、
同時にそれが限界をつくっているように思う。
劇中で示唆されてもいるが、もう姫(扱い)は卒業だな。


蛇足はさらにつづき同行の女子が中原昌也を評して。
「かわいかった。思ったより演技がうまかった」。
何の慰めになるのかは知らないが、この人は卒業とは一生無縁で構わない。