女番長 感化院脱走

ラピュタ阿佐ヶ谷 21:00 約40名 オトコ6:オンナ4


黒沢清監督『LOFT』リポートを寄せてくれた友人(下の日記、改稿しました)が、
傑作傑作傑作!と連呼するので中島貞夫監督『女番長 感化院脱走』。
やっぱり池玲子より杉本美樹が好き、と思ってしまうし、
更に個人的な好みを言うと姉妹女囚の妹の方=大森不二香が良かったのだが、
中島貞夫深作欣二のテイストの違いって何? と聞かれるとちょっと答えに窮する。


というのも遺骨を喰らうというのは深作『仁義の墓場』(75年)でよく知られているが、
調べてみると73年のこの作品の方が早い。
仁義の墓場』では渡哲也があくまで「何にもしねえから」と言い張りながら多岐川裕美をテゴメにしちゃって、一方こちらは「一発5万円」という約束でコトを始め、
ついには幾ら払えばよいのか判らなくなってしまう渡瀬恒彦、と兄弟対決も楽しいのだが、
脚本には両方とも鴨井達比古氏がクレジットされているので(『感化院』は中島と共同)、
もっと勉強しないと簡単には言えないのであります。


ところでラピュタに向かう途上、朝日新聞夕刊でシン・サンオク申相玉)監督の死を知る。こちらでは夫人チェ・ウニ崔銀姫)から「映画しか知らない人」と評されているが、
脱獄ノンフィクション『闇からの谺  北朝鮮の内幕』(文春文庫)を読めば、
映画しか知らなくても立派に闘いぬけることが判るので是非一読をオススメします。

闇からの谺―北朝鮮の内幕〈上〉 (文春文庫)

闇からの谺―北朝鮮の内幕〈上〉 (文春文庫)