痴漢電車 下着検札&性と愛のコリーダ

シネマヴェーラ渋谷 16:50&18:05 
オトコ約15名:オンナ0名→オトコ約20名:オンナ2名


いわゆる傑作選ではなくむしろ珍品を並べたシネマヴェーラの野心には感服しますが、
どうでしょう、<笑うポルノ ヌケるコメディ>という企画タイトルは、ただでさえ低い女性率をぐっと押し下げる気がするのですが、そんなことは気にしてないのでしょうか?


さてまずは滝田洋二郎監督『痴漢電車 下着検札』。サブタイトルの<日活ロマン・ポルノvs東映ピンキーバイオレンス 「笑い」の頂上決戦and More>のMoreに当たる、
獅子プロダクション製作、新東宝配給作品。
まだ売れていない頃(未検証)の竹中直人松本清張松田優作のモノマネを見せ、
謎解きもホントにチープな作品。平日夕方からこんなもの見てると、とても贅沢な気分が味わえる。


お次は小沼勝監督『性と愛のコリーダ』。こちらは谷ナオミや片桐夕子が本人役を演じる
「メタロマン・ポルノ」と謳われているが、むしろ二人の男の間で揺れる、自殺願望と監禁された女、それぞれの描き方に小沼勝監督の本気具合を感じた。


ところで先日神代特集にシネマアートンに行った際、ついぞ本屋では見かけなかった、
『愛の寓話』があったので購入。日活ロマン・ポルノの上映データが掲載されている労作で、これによると『性と愛のコリーダ』の併映作品は『壇の浦夜枕合戦記』!


日活倒産の折、神代辰巳作品で唯一プリントがジャンクされるというので文芸座地下に慌てて見に行ったのを思い出す。結局またプリントは焼かれたのだが、これは神代監督死去の際、映画雑誌編集をしていた友人が何かのパーティー大島渚に同席したので原稿を依頼すると、
「オレは世間で評価が低い『壇の浦夜枕合戦記』がいかに素晴らしい作品かを書く!」
と吼えたらしいが後日連絡を取ると「そんなこと言ったっけ? 無理無理」と一蹴されたことなども思い出した。


何が言いたいのかというとアートンとカブらなければ内藤氏も『壇の浦夜枕合戦記』や『悶絶!!どんてん返し』をラインナップに入れたかったんだろうな、ということ。
酔っ払って安易な約束をしてはイケマセンよ、ということ。
『愛の寓話』が全5巻までを予定しているのは、いくらなんでもムチャ! ということ。

愛の寓話―日活ロマン、“撮影所システム”最後の光芒 Interview with a Romance film Creators vol.1

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