戦争のはらわた

サム・ペキンパー監督『戦争のはらわた』(77年)をビデオにて鑑賞するが、2000年にリヴァイヴァル公開された際に劇場に駆けつけなかったことを激しく後悔させられた。上映時間133分が『愛する時と死する時』と同じであることに驚く。『愛する時と死する時』と『誰かあの娘に会ったかい?』についてご来場下さったcinemabourg*さんが作品の輝きも増す素晴らしいレビューを書いてくれているので是非お読み下さい。http://www.cinemabourg.com/2006/06/post_303.html


戦争のはらわた』ばかりでなくアレクセイ・ゲルマン監督との比較をアンケートで述べてくださった観客の方もいらっしゃいました。確かに『戦争のない20日間』(76年)は休暇中の従軍記者を描いた作品でした。「レンフィルム祭」で見ているのだが92年のことで、傑作だったことははっきり刻まれているが細部まで思い出せないのが悔やまれる。


ところで『戦争のはらわた』を調べていたのだが配給元ケイブルホーグのHPが開かず電話も繋がらないので嫌な予感に襲われつつ作業を進めた。
そしてケイブルホーグ、倒産の文字。
http://www.cinemabourg.com/2006/06/post_303.html

「フィルムを買い取りに行った」と記されている読売ランド前のグリソムギャングさんに電話して確認すると去年倒産したとのこと。かなりの映画ファンでもその作品を配給した会社には無関心であることが多いと気づいたのだが、ケイブルホーグがなくなったということは日本の映画環境が著しく悪化する(している)ことを意味する。アレックス・コックス監督作品、アレハンドロ・ホドロフスキー監督『サンタサングレ 聖なる血』など新作紹介も素晴らしかったが、何と言ってもジョン・フォードフリッツ・ラングジャン・ピエール・メルヴィル諸監督作品やカルト・クラシックシリーズで旧作をリヴァイバル上映する姿勢により、どれだけの恩恵を被ったか計り知れない。2001年に作成されたものだが、配給作品一覧もあるので、その業績をこちらから振り返って欲しい。
http://home.catv.ne.jp/hh/sprocket/month2001Feb-0.htm


最後に公開したのは昨年夏のニコラス・ローグ監督『WALKABOUT 美しい冒険旅行』になるのだろうか、アルトゥーロ・リプスタイン監督『深紅の愛 DEEP CRIMSON』をお借りしたこともあり、映画上映家とか名乗っているのに半年もその事態を知らなかったことを恥じるが、無念さはそれを遥かに上回る。伝わることはないと思うがここに深く感謝の念を記しておく。