ゲルマニウムの夜

一角座 16:00 6名 オトコ5名:オンナ1名


本日ようやく上野一角座にて大森立嗣監督『ゲルマニウムの夜』。
実はまだ冬の寒い日、一度訪れたことがあった。かなり余裕を持って上野駅に到着したのだが2000円も払って映画を観るのはどうにも業腹に感じ、あさましくもウロウロとディスカウントチケット屋を巡って割引券を探し求めるも結局見つからず定刻3分遅れで劇場に到着。まだ予告編の上映だろうと高を括っていたのだが、ベンチコートを着込んだスタッフが白い吐息でやたら急かすので問質すと「予告編はありません。本編から上映です」。もちろん大人気ない私はその場で踵をかえした。でも世の中捨てる神あれば拾う神もいらっしゃる。有難い友人が入場券をくれたので再チャレンジ。


荒戸源次郎氏が「映画芸術」415号で上映環境の良さを誇っていたので大いに期待していた。確かにタッパがあって映写機は高位置、どの席でも見やすそう。ただしドリンクホルダーはついておらず座り心地もイマイチ、肘掛の傷具合から判断するに恐らく中古品。


更に空調機がスクリーンの両脇に鎮座していて、ダクトは巡らされておらず直噴で当然音がする。壁も薄いので時折外部の音が漏れてくる。スクリーン壁面は黒で覆われているから良いのだが、側面特に出入口上部のアルミ板(?)は光を反射してしまう、とかなり期待外れでした。
トイレが劇場の外にあってそこへ至る通路には屋根がない、雨の日は傘をさしてという安藤忠雄風の設計だが、JANISの簡易トイレだしウチの女性スタッフだったらキンキン怒るだろうな〜。


知らずに行ったのだが金曜日はインターナショナルデイとかで英語字幕版。そのせいかも知れないがゲイのカップルさんがいた。上野という場所柄も踏まえて、ハッテン場としての機能も狙っていたのだとしたら荒戸源次郎、恐るべしである。


上映前にエスプレッソを振舞われたので「おっ、眠くなるような作品なのか〜」とウキウキしたがそんなことはなく、花村萬月氏の原作にどのくらい基づいているのか知る気も起きないのだが、性、暴力、グロが実に通俗的に羅列され、甘美な眠りに落ちることはありませんでした。