トルブナヤ通りの家

フィルムセンター 19:00 約200名 オトコ6:オンナ4


こっちが仕事しているのに「これから映画見に行く」とか携帯にメールを打たれるほど腹の立つことはなく、それが度を越すと「おなか痛くなっちゃいました」、早退してフィルムセンターに駆けつけたりする破目になったりするので、まったく困ったものだ。


痛い腹を抱えながらも「バルネットだから満席かもしれない」と思い、走ったりしたのだが6割ほどの入りでちょっと意外。友人によるとサイレント映画の場合はやや入りが悪い気がするとのこと。


夜が更けてトルブナヤ通りのアパートの灯が落ちるところから映画は始まる。次第に夜が明けてゆく様を路面電車の軌道を映し出しながら叙情的に綴ってゆく。
朝が来てアパートでは生活が始まる。ここで繰り広げられる家事というものが全く整理整頓や実用性に結びつかず、ひたすら破壊工作であるのが何とも痛快。
やや間を空けてだが登場人物が行う、皿を洗い、拭くという単純作業ですらやはり破壊工作で、しかもサイレント、無音であるがゆえのギャグであるのが見事。


7月30日(日)11時からもう一度上映されるので見逃した方はぜひどうぞ。
前述の友人によると主人公が二番目に道を尋ねるのがボリス・バルネット本人だそうです。私は全然判らなかったし、後からそう聞いても思い出せなかったことを告白しておきます。