コミシネ会議 1日目

eigahitokw2006-09-08


札幌プリンスホテル 16:00〜 約180名 オトコ6:オンナ4


 ゆったり朝風呂に浸かり、おいしく朝ゴハンを戴くと、空はピーカンだしスタッフ一同何とも気分がよろしくなり、するとあらら不思議なことにクルマはコミシネ会議の行われている札幌とは逆方向の室蘭・地球岬に向かってしまう。13時30分からの開会式、基調講演、プレゼンテーションには当然間に合わず。


 さて遊びはここまで。以下敬称も略。ディスカッション「デジタル時代の映画上映」は司会:内藤篤(シネマヴェーラ館主)、パネリスト:チョン・スワン(全州国際映画祭プログラマー)、岡島尚志(国立フィルムセンター主幹)、小川直人(せんだいメディアテーク学芸員)、武邑光裕札幌市立大学教授)、中江裕司(映画監督・桜坂劇場代表)、松本正道(アテネ・フランセ文化センター主任)という面々。


 このメンバーで2時間以上に亘って内容をひと口にまとめることは出来ない。ひと口ではまとめられないように主催者が謀ったのではないかとすら勘ぐりたくなる。それは癪なので2K、4Kってキツイ、汚いとあと何だっけ? くらいボンクラであるがあくまで私見を述べようと思う。この日記は後付で記しているのでこの日のディスカッションだけでなく翌日の分科会「デジタル上映とは何か〜デジタルシネマの世界的動向から日々の上映まで」の内容を踏まえている。


「デジタルシネマに関する調査研究委員会」によると05年段階で過去にDLP上映なしが73%、DLPプロジェクターを備えた映画館は711中52しかないので、ミニシアターにおけるDV上映とはそれほど高価ではない液晶プロジェクターを用いたものだろう。この段階であればまだデジタルは怪物ではない。


 問題はハリウッド・メジャー映画配給会社が組織するDCI(Digital Cinema Initiative)が推進する2K、4Kだろう。2Kデジタルで画素数がほぼハイヴィジョンと同数(フレームレートは異なる)。4Kだとその4倍の885万画素、そのプロジェクターは1500万円以上。ハリウッドは更に3Dでの上映方式も模索していて、中国ではdMsという上映方式が推進されている。


 う〜ん、言っていることは何となくだけど判った、それでオレたちゃどうすりゃいいの? というのが全国ミニシアター館主の思いだと推測される。ただでさえ経営苦しいのに、そんなに高価でしかも数年後にまた規格替わっちゃいそうなシロモノ導入するなんて無理ですよ、と。


 その通り、これはハリウッドという怪物によるミニ、インディペンデントシアターつぶしなのだろう。映画作品は増え過ぎた、自社のものにだけ来てくれれば良いのだから余分な選択肢はいらない、まずは弱い所からツブしていこう。今まで何十年も35ミリプロジェクターだけでやってきた奴らに資本の違いというものを見せつけてやろう…。まあこんなところではないでしょうか。選択肢の限られたミライってとても暗いですね。


 19時よりレセプション、要するに飲み会。「プロジェクトINAZUMA」の営業で名古屋シネマテークさん、せんだいメディアテークさん、札幌シアターキノさん、シネマテークたかさきさん、金沢シネモンドさんなどとお話をする。色々なことが伺えてとても楽しいひと時ではあったが、気分が明るくなりはしなかった。